眺望なんていうのは、買うときには「いいなあ、これは」と思っても、住んでみると誰も景色なんて見ないものなのです。ましてや、前に建物が建つこともありますしね。富士山の見える家に引っ越したといって喜んでいた友人がいるのですが、このあいだ聞いてみたら、富士山を見ることなんてめったにないそうで、たまにお客が来ると「ウチは富士山が見えます」と窓を開ける程度だそうです。つまり、「ここがいいと思ってこの家に入った、買った」と、その決め手になった条件は、案外すぐに飽きてしまってなんの価値もなくなるものなのです。それとともに、「買うときには自分が本当に気に入る条件というのは、意外に頭に入れていないんだな」ということがよくわかって、欠陥や不便さが目についてきます。買う前と買ってからでは、まるで価値観とか住居観が変わってしまうのです。けれども、そこにこだわるとキリがないわけで、たとえば、間取りが少々変わったからといって自分のビジネスがうまくいき、金が儲かって幸せになるわけではありません。そもそもすべてがいいマイホームなんてあり得ないのであって、そこは「気にしなければどうってことない。慣れてしまえばなんでもない」と割り切ることが大切です。そのかわり、そこに何十年も住みついてしまうと気持ちが沈滞して人生が滞ってしまいますから、次の飛躍を目指すために買い替えをしたほうがいいということになります。
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